株主総会のみなし決議について

 株式会社において、取締役の選任や解任(会社法(以下省略)329条1項、339条1項)、計算書類の承認(438条2項)、剰余金の配当等(会社法454条1項)、重要な意思決定を行う場合、株主総会を開く必要があります。

 このとき、株式会社は、株主総会招集の決定、招集通知の発送、株主総会の開催・議事進行、議事録の作成といった手続きをとる必要があります。

 ただ、一定の場合に、株主総会開催を省略することができます。それがみなし決議(319条)です。

 みなし決議とは、株主総会で決議する事項について、全株主の書面による同意がある場合、株主総会を開催することなく、決議があったとみなすことができる制度です。

 具体的には、➀取締役または株主が株主総会の目的である事項について提案をしたこと、➁当該提案につき議決権を有する全株主が書面または電磁的方法により同意したこと、という2つの条件をみたした場合(319条1項)、利用することができます。

 ただし、書面決議の場合でも、議事録作成は必要であることは注意が必要です。以下の事項を議事録に記載することとなります(施行規則72条4項1号イ~ニ)。

ⅰ 株主総会の決議があったものとみなされた事項の内容

ⅱ 提案をした者の氏名又は名称

ⅲ 株主総会の決議があったものとみなされた日

ⅳ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

 みなし決議は、株主の少ない会社にとっては活用しやすい制度です。

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