障害のある人に対する合理的配慮の提供の義務化
来年の令和6年4月から、令和3年に改正された障害者差別解消法(正式名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)が施行され、民間の事業者にも、障害のある人に対する合理的配慮の提供が、「義務化」されることになりました(これまでは「努力義務」でしたが明確な「義務」になりました)。
これにより、「事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合」には、「その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない」ことが義務化されました(改正障害者差別解消法8条2項)。
この法律の「障害者」は、障害者手帳を持っている人のことだけではなく、身体障害のある人、知的障害のある人、精神障害のある人(発達障害や高次脳機能障害のある人も含まれます)、その他心や体のはたらきに障害(難病等に起因する障害も含まれます)がある人で、障害や社会の中にあるバリアによって、日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人全てが対象になります(障害のあるこどもも含まれます)。また、民間の「事業者」には、商業その他の事業を行う企業や団体、店舗で、目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同じサービス等を反復継続する意思をもって行う者となり、個人事業主、ボランティア活動をするグループなども「事業者」に入ります。
このような法改正の動きを受けて、令和5年10月16日から、障害者差別に関する相談窓口の試行事業として「つなぐ窓口」 がスタートしました。
障害者差別解消法に関するご相談を適切な相談機関と調整し、取り次ぎするもので、障害者と事業者の双方からの相談を受け付けます。連絡先は、電話相談 : 0120-262-701、午前10:00 –午後5時 週 7 日(祝日・年末年始除く)のほか、メール相談 :info@mail.sabekai-tsunagu.go.jp、その他のご連絡:sabetsu-kaisyo@nttdata-strategy.comもあります。
この「つなぐ窓口」は、障害者差別解消法に関する質問に回答するとともに、障害を理由とする差別に関する相談を適切な自治体・各府省庁等の相談窓口に円滑に繋げるための調整・取次を行ってくれます。
もともと、障害者差別解消法は、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月に制定された法律であり、今回の法改正も、その法の目的を実現するためのものです。
詳しくは、下記サイトをご覧ください。