著作物とは?
著作権法で保護される著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文学、芸術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義されています(2条1項1号)。
この定義は、以下の4つの要件に分解することができます。
1つ目は、思想又は感情を含むことです。
これにより、「今日の新宿区の最高気温は9度である」といった単なる事実・データは、著作物から除外されることとなります。
2つ目は、創作的であることです。
これは、高度な独創性を求めるものでなく、著作者の個性が何らかの形で表れていればよく(東京地裁判平成17年5月17日判時1950・147)、例えば、小さい子供が描いた落書きにも、創作性は認められます。
他方で、他人の作品の模倣品や、誰が書いても同様の表現となるようなありふれた表現(「こんにちは」などのあいさつ)には創作性は認められません。
3つ目は、表現したものであることです。
アイデアそれ自体は著作物にあたらず、抽象的概念にとどまる場合には、著作物にあたらないことになります。
4つ目は、文学、芸術又は音楽の範囲に属するものであることです。
そのため、経済活動の中で生み出される産業上の所産は除かれ、工業製品は著作物から除かれることとなります。
上記の4つの要件を満たすものについては、著作権法30条~47条の6で認められている例外を除き、著作者の許可を得ずに勝手に利用したり、転載することはできません。
この場合、著作権者から民事上の差止請求や損害賠償請求をされる危険があり、さらには罰則の対象ともなりえます(著作権法119条1項等)。
著作物の定義に関しては、以下の文化庁のHPを参照ください。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/pdf/93908401_01.pdf