再犯防止推進法について
平成28年12月に、再犯の防止等の推進に関する法律(以下「再犯防止法」といいます)が成立し、施行されています。
この法律は、国、地方公共団体、民間団体等が連携、協力して、再犯防止に努めるべきことが定められています。国によって再犯防止推進計画が打ち出され、これに基づいて地方公共団体が再犯防止推進計画を立てることが努力義務として定められています。
この計画は、犯罪をしてしまった人が刑務所や少年院等に収容されているときだけではなく、社会復帰後も途切れることなく、必要な指導及び支援が受けられるようにすることが求められています。
具体的には、犯罪をしてしまった人に対しては、この法律に基づく施策として「再犯防止に向けた教育・訓練の充実等」「社会における職業・住居の確保等」をすることが求められています。また、公共機関に「再犯防止推進の人的・物的基盤の整備」を求めるとともに、「再犯防止施策推進に関する重要事項」として、調査研究の推進等を図ることとしています。
この法律に基づく最初の再犯防止推進計画は、平成29年12月に作成されました。この法律は、5年を目途として施行状況に検討を加え、必要な措置を講ずることになっています。この計画から5年が経過した現在、第1次の計画が一定の成果を上げたことが確認され、令和5年12月に第2次再犯防止推進計画が作成されました(https://www.moj.go.jp/hisho/saihanboushi/hisho04_00036.html)。現在、各地方自治体でも、これに基づく第2次再犯防止推進計画が検討されています(東京都:https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/tomin_anzen/about/tyousa-keikaku/tyosa-keikaku/0000002137.html)。
この法律が目的とする「国民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会」が実現するようにこの法律と再犯防止推進計画がどのように運用されていくかについて、関心を持ち、関わっていきたいと思っています。
(参照条文)
第一条「国民の理解と協力を得つつ、犯罪をした者等の円滑な社会復帰を促進すること等による再犯の防止等が犯罪対策において重要であることに鑑み、再犯の防止等に関する施策に関し、基本理念を定め、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、再犯の防止等に関する施策の基本となる事項を定めることにより、再犯の防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって国民が犯罪による被害を受けることを防止し、安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与することを目的とする」と定められています。