チケット不正転売禁止法について(第1弾)

 「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(「チケット不正転売禁止法」といいます。)は、興行主の事前の同意を得ず、反復継続の意思をもって、販売価格を超える価格でチケットを不正転売することを禁止しています。同法は、2019年6月に施行された比較的新しい法律です。

 どうしても行きたい公演や試合のチケットは、販売価格を超えてでも入手がしたくなるものです。こうした消費者心理につけこみ、チケット不正転売禁止法の施行後も、チケットの不正転売が後を絶ちません。

 2020年8月には、人気アイドルグループのコンサートチケットを不正転売した者に対し、チケット不正転売禁止法違反などの罪により、懲役1年6カ月執行猶予3年、罰金30万円等の有罪判決が出されています。

 先日開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、日本戦のチケットを高額転売したとして、チケット不正転売禁止法違反容疑で逮捕者が出たと報じられました。

 チケット不正転売禁止法は、不正転売チケットの購入者を罰する法律ではありません。しかし、不正転売チケットを購入することは、会場へ入場ができないなど、予期せぬトラブルに巻き込まれる危険があります。

 チケットの売買は、興行主の同意を事前に得ている公式リセールサイトで行いましょう。公式リセールサイトなら、チケットを定価で売買することができ、公演の延期中止時の補償も受けられるため、安心して取引を行えます。

 チケット不正転売禁止法により、適正価格でのチケット流通が促進されることを期待したいと思います。

参考URL

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/ticket_resale_ban/index.html
https://www.asahi.com/articles/ASR4P3WJRR4PUTIL006.html